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BMA00085
「教科書を作ろう」文法解説
ふりがな
V(ら)れます(尊敬)
●日本語能力試験 3級
■
構造図
N
は/が
V(ら)れます
N:Vの
動作主
(
どうさしゅ
)
(
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
が
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す
対象
(
たいしょう
)
)
V(ら)れます:
受身形
(
うけみけい
)
と
同
(
おな
)
じ
■
基本 例文
【解 説】
A.
先生
(
せんせい
)
や
会社
(
かいしゃ
)
の
上司
(
じょうし
)
など、
目上
(
めうえ
)
の
人
(
ひと
)
の
動作
(
どうさ
)
に
使
(
つか
)
い、その
人
(
ひと
)
への
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す。
【例文 1】
学生
(
がくせい
)
:
先生
(
せんせい
)
はたばこをすわれますか。
先生
(
せんせい
)
: いいえ、すいません。
【例文 2】
社員
(
しゃいん
)
:
課長
(
かちょう
)
、
何時
(
なんじ
)
に
会社
(
かいしゃ
)
を
出
(
で
)
られますか。
課長
(
かちょう
)
: ○○
銀行
(
ぎんこう
)
とのやくそくは2
時
(
じ
)
なので、1
時
(
じ
)
に
出
(
で
)
る
予定
(
よてい
)
です。
【例文 3】
課長
(
かちょう
)
:
部長
(
ぶちょう
)
、
明日
(
あした
)
のパーティーに
出席
(
しゅっせき
)
されますか。
部長
(
ぶちょう
)
: ああ、
出席
(
しゅっせき
)
しますよ。
【例文 4】(
図書館
(
としょかん
)
の
人
(
ひと
)
に)
○○
先生
(
せんせい
)
が
書
(
か
)
かれた「△△」という
本
(
ほん
)
はありますか。
【解 説】
B.
初
(
はじ
)
めて
会
(
あ
)
った
人
(
ひと
)
やよく
知
(
し
)
らない
人
(
ひと
)
の
動作
(
どうさ
)
に
使
(
つか
)
い、その
人
(
ひと
)
への
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す。
【例文 5】(
道
(
みち
)
で、
困
(
こま
)
っている
人
(
ひと
)
に)
A: どうされたんですか。
B:
駅
(
えき
)
までの
道
(
みち
)
がよくわからないんですが…。
【例文 6】(
同
(
おな
)
じ
会社
(
かいしゃ
)
で
働
(
はたら
)
いているが、あまり
話
(
はな
)
したことがない
人
(
ひと
)
に)
A:
休
(
やす
)
みはどちらへ
行
(
い
)
かれたんですか。
B: いなかへ
帰
(
かえ
)
りました。
【例文 7】(
道
(
みち
)
で、ハンカチをおとした
人
(
ひと
)
に)
A: これ、おとされましたよ。(ハンカチをわたす)
B: あ、ありがとうございます。
【解 説】
C.
店員
(
てんいん
)
などが
客
(
きゃく
)
の
動作
(
どうさ
)
に
使
(
つか
)
い、
客
(
きゃく
)
への
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す。
【例文 8】(ホテルのフロントで、ホテルの
人
(
ひと
)
が
客
(
きゃく
)
に)
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
られるときは、かぎをフロントにお
返
(
かえ
)
しください。
【例文 9】(
薬屋
(
やっきょく
)
で
店員
(
てんいん
)
が
客
(
きゃく
)
に)
この
薬
(
くすり
)
を
飲
(
の
)
まれたら、
車
(
くるま
)
の
運転
(
うんてん
)
はしないようにしてください。
【例文 10】(ガイドが
客
(
きゃく
)
に)
バスをおりられるときは、
車
(
くるま
)
にご
注意
(
ちゅうい
)
ください。
【解 説】
D. スピーチや
案内
(
あんない
)
など
公
(
おおやけ
)
の
場面
(
ばめん
)
や
改
(
あらた
)
まった
場面
(
ばめん
)
で
使
(
つか
)
う。
聞
(
き
)
き
手
(
て
)
(
読
(
よ
)
み
手
(
て
)
の
動作
(
どうさ
)
に
使
(
つか
)
い、
聞
(
き
)
き
手
(
て
)
(
読
(
よ
)
み
手
(
て
)
)への
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す。
【例文 11】(
海
(
うみ
)
での
案内
(
あんない
)
書
(
が
)
き)
お
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
まれた
方
(
かた
)
は、
海
(
うみ
)
に
入
(
はい
)
らないでください。
【例文 12】(
本
(
ほん
)
の
紹介文
(
しょうかいぶん
)
)
この
本
(
ほん
)
を
読
(
よ
)
まれたら、きっと
旅行
(
りょこう
)
をしたくなるでしょう。
【例文 13】(
卒業式
(
そつぎょうしき
)
のスピーチで、
校長
(
こうちょう
)
が
卒業生
(
そつぎょうせい
)
に)
ご
卒業
(
そつぎょう
)
、おめでとうございます。みなさんはこの
学校
(
がっこう
)
を
卒業
(
そつぎょう
)
して、
新
(
あたら
)
しい
道
(
みち
)
に
進
(
すす
)
まれます。たいへんなこともあると
思
(
おも
)
いますが、どうぞがんばってください。
■
先生へ
●
敬語
(
けいご
)
について
・
日本語
(
にほんご
)
では、
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
と
話題
(
わだい
)
の
人物
(
じんぶつ
)
(
話
(
はなし
)
の
中
(
なか
)
に
出
(
で
)
てくる
人
(
ひと
)
との
関係
(
かんけい
)
、
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
と
聞
(
き
)
き
手
(
て
)
との
関係
(
かんけい
)
、
場面
(
ばめん
)
などによって、ことばづかいを
変
(
か
)
えることがある。
敬語
(
けいご
)
はそのようなことばづかいの
一
(
ひと
)
つである。
・
敬語
(
けいご
)
は、
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
が、
聞
(
き
)
き
手
(
て
)
や
話題
(
わだい
)
の
人物
(
じんぶつ
)
、
発話
(
はつわ
)
の
場面
(
ばめん
)
に
対
(
たい
)
して
配慮
(
はいりょ
)
していることを
表
(
あらわ
)
すために
使
(
つか
)
う。この
配慮
(
はいりょ
)
のことを「
敬意
(
けいい
)
」と
呼
(
よ
)
ぶ。「
敬意
(
けいい
)
」を
表
(
あらわ
)
すことは、
社会的
(
しゃかいてき
)
なルールとして
求
(
もと
)
められるもので、
個人
(
こじん
)
の
感情
(
かんじょう
)
や
気持
(
きも
)
ちで
使
(
つか
)
うかどうかが
決
(
き
)
まるものではない。
・
日本語
(
にほんご
)
の
敬語
(
けいご
)
には、「
尊敬語
(
そんけいご
)
/
尊敬表現
(
そんけいひょうげん
)
」と「
謙譲語
(
けんじょうご
)
/
謙譲表現
(
けんじょうひょうげん
)
」がある。
主語
(
しゅご
)
が
敬意
(
けいい
)
を
表
(
あらわ
)
す
相手
(
あいて
)
のときに、その
動作
(
どうさ
)
を
表
(
あらわ
)
す
動詞
(
どうし
)
を 「
尊敬語
(
そんけいご
)
/
尊敬表現
(
そんけいひょうげん
)
」にする。
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
(または
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
側
(
がわ
)
の
人
(
ひと
)
)の
動作
(
どうさ
)
を
述
(
の
)
べるとき、その
動詞
(
どうさ
)
を「
謙譲語
(
けんじょうご
)
/
謙譲表現
(
けんじょうひょうげん
)
」にする。
●【例文 4】のように
話題
(
わだい
)
の
人物
(
じんぶつ
)
がその
場
(
ば
)
にいないときには、
敬語
(
けいご
)
を
使
(
つか
)
わなくてもよい。
例
(
れい
)
○○
先生
(
せんせい
)
が
書
(
か
)
いた「△△」という
本
(
ほん
)
はありますか。
●
年上
(
としうえ
)
も
目上
(
めうえ
)
として
敬語
(
けいご
)
を
使
(
つか
)
うことがある。ただし、
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
が
自分
(
じぶん
)
の
家族
(
かぞく
)
(
親
(
おや
)
、
兄
(
あに
)
、
姉
(
いもうと
)
など)について、ほかの
人
(
ひと
)
に
話
(
はな
)
すときは
使
(
つか
)
えない。
例
(
れい
)
1 ○○さんのおじいさんは、
先週
(
せんしゅう
)
入院
(
にゅういん
)
されました
。
2 (わたしの)
祖父
(
そふ
)
は、
先週
(
せんしゅう
)
入院
(
にゅういん
)
されました
。(×)
(わたしの)
祖父
(
そふ
)
は、
先週
(
せんしゅう
)
入院
(
にゅういん
)
しました
。(○)
●Aの
使
(
つか
)
い
方
(
かた
)
では、
話
(
はな
)
し
手
(
て
)
が
自分
(
じぶん
)
の
会社
(
かいしゃ
)
の
上司
(
じょうし
)
についてほかの
会社
(
かいしゃ
)
の
人
(
ひと
)
に
話
(
はな
)
すとき、
尊敬語
(
そんけいご
)
/
尊敬表現
(
そんけいひょうげん
)
は
使
(
つか
)
えない。(
下
(
した
)
の
例
(
れい
)
では、
山田
(
やまだ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
会社
(
かいしゃ
)
の
木村部長
(
きむらぶちょう
)
のことについて、 ほかの
会社
(
かいしゃ
)
の
田中
(
たなか
)
に
話
(
はな
)
している。)
例
(
れい
)
田中
(
たなか
)
:
木村部長
(
きむらぶちょう
)
は
何時
(
なんじ
)
にもどられますか。
山田
(
やまだ
)
: 2
時
(
じ
)
にもどられます。(×)
2
時
(
じ
)
にもどります。(○)
●Dの
使
(
つか
)
い
方
(
かた
)
の「
公
(
おおやけ
)
の
場面
(
ばめん
)
や
改
(
あらた
)
まった
場面
(
ばめん
)
」とは、
具体的
(
ぐたいてき
)
には
次
(
つぎ
)
のような
場面
(
ばめん
)
のことである。
スピーチ、
会議
(
かいぎ
)
、
発表
(
はっぴょう
)
、
面接
(
めんせつ
)
、インタビュー、
放送
(
ほうそう
)
、アナウンス、
案内
(
あんない
)
や
注意
(
ちゅうい
)
などの
掲示物
(
けいじぶつ
)
、など。
●
電話
(
でんわ
)
をかけたり
受
(
う
)
けたりするときの
慣用的
(
かんようてき
)
な
表現
(
ひょうげん
)
に、
敬語
(
けいご
)
が
使
(
つか
)
われる。
例
(
れい
)
1 (
友達
(
ともだち
)
の
家
(
いえ
)
に
電話
(
でんわ
)
をかける)
山中
(
やまなか
)
: はい、
山中
(
やまなか
)
です。
高橋
(
たかはし
)
:
高橋
(
たかはし
)
ですが、まさるさんはいらっしゃいますか。
山中
(
やまなか
)
: まだ、
帰
(
かえ
)
ってきていないんですが。
高橋
(
たかはし
)
: そうですか。では、
帰
(
かえ
)
られたら
、
電話
(
でんわ
)
があったことを
伝
(
つた
)
えていただけ
ますか。
2 (ほかの
会社
(
かいしゃ
)
に
電話
(
でんわ
)
をかける)
村田
(
むらた
)
: はい、○○
社
(
しゃ
)
です。
小林
(
こばやし
)
: △△
銀行
(
ぎんこう
)
の
小林
(
こばやし
)
ですが、
木村
(
きむら
)
さん、お
願
(
ねが
)
いします。
村田
(
むらた
)
:
木村
(
きむら
)
はちょっと
出
(
で
)
ていますが。
小林
(
こばやし
)
: では、
もどられたら
、
電話
(
でんわ
)
をくださるよう、お
伝
(
つた
)
えください。
●「います」「くれます」や、
可能動詞
(
かのうどうし
)
、「できます」「わかります」などの
可能
(
かのう
)
の
意味
(
いみ
)
を
持
(
も
)
つ
動詞
(
どうし
)
は、
尊敬
(
そんけい
)
の「V(ら)れます」の
形
(
かたち
)
は
使
(
つか
)
えない。
●「V(ら)れます」は「Vてください」をつけることができない。「おVください」などを使う。
例
(
れい
)
どうぞご
自由
(
じゆう
)
に
使
(
つか
)
われてください
。(×)
どうぞご
自由
(
じゆう
)
に
お
使
(
つか
)
いください
。(○)
●「V(ら)れます」の
意味
(
いみ
)
が
尊敬
(
そんけい
)
か
受身
(
うけみ
)
かの
区別
(
くべつ
)
は、
文脈
(
ぶんみゃく
)
から
判断
(
はんだん
)
する。
例
(
れい
)
社長
(
しゃちょう
)
は
今日
(
きょう
)
とどいた
手紙
(
てがみ
)
を
読
(
よ
)
まれました
。(
尊敬
(
そんけい
)
)
わたしは
母
(
はは
)
に
友達
(
ともだち
)
からの
手紙
(
てがみ
)
を
読
(
よ
)
まれました
。(
受身
(
うけみ
)
)
●「V(ら)れます」より「おVになります」のほうが
敬意
(
けいい
)
の
程度
(
ていど
)
が
高
(
たか
)
い。
●
実際
(
じっさい
)
のコミュニケーションは、さまざまな
人間関係
(
にんげんかんけい
)
や
場面
(
ばめん
)
などが、
組
(
く
)
み
合
(
あ
)
わされた
状況
(
じょうきょう
)
で
行
(
おこな
)
われている。また、
敬語
(
けいご
)
は、A~Dの
使
(
つか
)
い
方
(
かた
)
以外
(
いがい
)
に、
話
(
はなし
)
の
内容
(
ないよう
)
(
人
(
ひと
)
の
不幸
(
ふこう
)
や
災難
(
さいなん
)
など)や
目的
(
もくてき
)
(
謝罪
(
しゃざい
)
、
皮肉
(
ひにく
)
、
断
(
ことわ
)
りなど)によっても
使
(
つか
)
われることがある。(
下
(
した
)
の
例
(
れい
)
1では
話
(
はなし
)
の
内容
(
ないよう
)
が
人
(
ひと
)
の
不幸
(
ふこう
)
、
例
(
れい
)
2では
話
(
はなし
)
の
目的
(
もくてき
)
が
皮肉
(
ひにく
)
。)
例
(
れい
)
1 (
交通
(
こうつう
)
事故
(
じこ
)
のニュースを
見
(
み
)
て)
このお
父
(
とう
)
さん、
子
(
こ
)
どもさんを
亡
(
な
)
くされて
、
本当
(
ほんとう
)
にお
気
(
き
)
のどくですね。
2
妻
(
つま
)
: あら、
日曜日
(
にちようび
)
なのに、こんな
早
(
はや
)
い
時間
(
じかん
)
にどちらへ
行
(
い
)
かれる
んですか。
夫
(
おっと
)
:
約束
(
やくそく
)
しちゃったんだからしかたがないだろう。まだ
怒
(
おこ
)
っているのか。
○
初級
(
しょきゅう
)
では、
敬語
(
けいご
)
の
基本的
(
きほんてき
)
な
使
(
つか
)
い
方
(
かた
)
や
表現
(
ひょうげん
)
を
理解
(
りかい
)
し
覚
(
おぼ
)
えることが
重要
(
じゅうよう
)
なので、 A~Dのようなわかりやすい
人間関係
(
にんげんかんけい
)
と
場面
(
ばめん
)
を
具体的
(
ぐたいてき
)
に
設定
(
せってい
)
して、
導入
(
どうにゅう
)
、
練習
(
れんしゅう
)
するとよい。
○
敬語
(
けいご
)
を
使
(
つか
)
うときは、
文法
(
ぶんぽう
)
や
使
(
つか
)
い
方
(
かた
)
の
正
(
ただ
)
しさだけでなく、
話
(
はな
)
し
方
(
かた
)
や
態度
(
たいど
)
にも
気
(
き
)
をつける。
■
関連文法項目
受身形
V(ら)れます(受身)
おVになります/ごNになります
尊敬の意味を持つ動詞
おVします/おVいたします/ごNします/ごNいたします
謙譲の意味を持つ動詞
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