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日本の女性の結婚観
●トピック: 結婚   家族   労働   女性 
●文の長さ: 900字   ●文の種類: 説明文   ●レベル: ★★☆☆
 大切な語彙
  • 結婚観(けっこんかん)
  • 独身(どくしん)
  • 社会(しゃかい)進出(しんしゅつ)
  • 家事(かじ)
  • 育児(いくじ)
  • 仕事(しごと)
  • 自由(じゆう)時間(じかん)
  • 両立(りょうりつ)
  • 負担(ふたん)
  • 疑問(ぎもん)
  • 役割(やくわり)分担(ぶんたん)
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 日本(にほん)結婚率(けっこんりつ)(たか)(くに)だと()われている。(たし)かに、「結婚(けっこん)して半人前(はんにんまえ)()どもを()って一人前(いちにんまえ)」とも()われ、結婚(けっこん)して()どもを()つことは、(ひと)一生(いっしょう)(なか)でも大変(たいへん)重要(じゅうよう)で、また、当然(とうぜん)のことだと認識(にんしき)されてきた。さらに、結婚(けっこん)することにより、法的(ほうてき)にも経済的(けいざいてき)にも有利(ゆうり)になるという側面(そくめん)もある。
 ところが、1980年代(ねんだい)後半(こうはん)から、マスコミでは、しばしば男性(だんせい)結婚難(けっこんなん)(かん)する問題(もんだい)()()げられるようになった。この問題(もんだい)一番(いちばん)原因(げんいん)は、20(だい)から30(だい)(なか)ばの女性(じょせい)が、同世代(どうせだい)男性(だんせい)より(すく)ないことである。しかし、それと(なら)んで重要(じゅうよう)だと(おも)われるのは、(わか)女性(じょせい)結婚(けっこん)をしたがらなくなったことである。この現象(げんしょう)は「非婚(ひこん)」という流行(りゅうこう)()まで()んだ。「非婚(ひこん)」とは、無理(むり)結婚(けっこん)せずに独身(どくしん)(えら)ぶことを意味(いみ)していて、「未婚(みこん)」とは(ちが)う。
 女性(じょせい)がこう(かんが)えるようになった背景(はいけい)には、女性(じょせい)社会(しゃかい)進出(しんしゅつ)がある。従来(じゅうらい)日本型(にほんがた)結婚(けっこん)は、男性(だんせい)が「(よめ)をもらう」ということであった。そして女性(じょせい)は、(とつ)(さき)家事(かじ)育児(いくじ)専念(せんねん)し、(おっと)に「(やしな)ってもらう」のが普通(ふつう)だった。そのため、「(おとこ)仕事(しごと)(おんな)家事(かじ)」という(かんが)えが(いま)でも(のこ)っており、女性(じょせい)はたとえ(そと)(はたら)いていても、家事(かじ)全部(ぜんぶ)やらなければならないと(かんが)える(ひと)(すく)なくない。女性(じょせい)が「結婚(けっこん)」と「仕事(しごと)」や「自分(じぶん)自由(じゆう)にできる時間(じかん)」を両立(りょうりつ)させようとすると、(おお)きな負担(ふたん)()いられることになる。それで、最近(さいきん)職業(しょくぎょう)()女性(じょせい)たちは、このような結婚(けっこん)疑問(ぎもん)()つようになった。自分(じぶん)興味(きょうみ)()っている仕事(しごと)や、せっかく()()れた経済的(けいざいてき)にも時間的(じかんてき)にも余裕(よゆう)のある自由(じゆう)生活(せいかつ)を、そのような負担(ふたん)のある結婚生活(けっこんせいかつ)のために簡単(かんたん)にあきらめることはできない、と(かんが)えるようになったのである。
 こういう女性(じょせい)(あたら)しい結婚観(けっこんかん)は、かなり定着(ていちゃく)してきたように(おも)われる。実際(じっさい)には、一生(いっしょう)結婚(けっこん)するつもりはないと()女性(じょせい)は、まだ(すく)ない。しかし、自分(じぶん)納得(なっとく)できる結婚(けっこん)生活(せいかつ)(おく)れる相手(あいて)()つからない(かぎ)結婚(けっこん)しない、と()女性(じょせい)()えていることは(たし)かである。今後(こんご)社会(しゃかい)変化(へんか)するにつれて、結婚(けっこん)意味(いみ)男女(だんじょ)役割(やくわり)分担(ぶんたん)などについて、女性(じょせい)だけでなく、男性(だんせい)もより積極的(せっきょくてき)(かんが)えていかなければならないことは()うまでもない。
 文法
によって/により/によっては/による
という(内容)
に関して/に関しては/に関する
Vたがります
まで
とは
Vず(に)
V(さ)せます
V(よ)うとします
つもりです
かぎり/かぎりは/かぎりでは/ないかぎり
につれて/につれ
について/につき/については/についての
だけでなく…も
言うまでもない/言うまでもなく
 参考
結婚(けっこん)相手(あいて)との出会(であ)いと結婚年齢(けっこんねんれい)
 1940年代(ねんだい)には結婚(けっこん)する(ひと)(やく)7(わり)がお見合(みあ)結婚(けっこん)をしていましたが、2003(ねん)ではお見合(みあ)いで結婚(けっこん)する(ひと)は7%にまで減少(げんしょう)しました。夫婦(ふうふ)()()ったきっかけでいちばん(おお)いのは「職場(しょくば)仕事(しごと)関係(かんけい)」で全体(ぜんたい)の3(ぶん)の1を()めています。()いで「友人(ゆうじん)兄弟姉妹(きょうだいしまい)(つう)じて」((やく)3(わり))、「学校(がっこう)で」((やく)1(わり))と日常的(にちじょうてき)()での出会(であ)いが(おお)くなってきています1。また、1950(ねん)には結婚(けっこん)平均年齢(へいきんねんれい)男性(だんせい)25.9(さい)女性(じょせい)23(さい)であったのに(たい)し、2002(ねん)調査(ちょうさ)では男性(だんせい)29.1(さい)女性(じょせい)27.4(さい)晩婚化(ばんこんか)結婚年齢(けっこんねんれい)(おそ)くなること)が(すす)んできています2
データ〕
  1. 国立社会保障(こくりつしゃかいほしょう)人口問題研究所(じんこうもんだいけんきゅうしょ)(だい)12(かい)出生(しゅっしょう)動向(どうこう)基本調査(きほんちょうさ) 結婚(けっこん)出産(しゅっさん)(かん)する全国調査(ぜんこくちょうさ) 夫婦調査(ふうふちょうさ)結果概要(けっかがいよう)
  2. 厚生労働省(こうせいろうどうしょう)人口動態調査(じんこうどうたいちょうさ) 平成(へいせい)14(ねん)
【 結婚年齢の変化 】
年次 男性(歳) 女性(歳)
1950年 25.9 23.0
1960年 27.2 24.4
1970年 26.9 24.2
1980年 27.8 25.2
1990年 28.4 25.9
1995年 28.5 26.3
2002年 29.1 27.4

厚生労働省「人口動態調査 平成14年」上巻 婚姻 第9.11表より
家事(かじ)分担(ぶんたん)
 日本(にほん)では「男性(だんせい)(そと)(はたら)家族(かぞく)(やしな)う。女性(じょせい)家庭(かてい)(いえ)(まも)る」と()われてほとんどの家事(かじ)女性(じょせい)(にな)ってきました。しかし、1970(ねん)ごろから仕事(しごと)()女性(じょせい)()え、以前(いぜん)(くら)べると男性(だんせい)家事(かじ)時間(じかん)()えてきています。とは()っても、2001年度(ねんど)調査(ちょうさ)によると20(さい)以上(いじょう)(ひと)が1(にち)のうちに家事(かじ)をおこなう時間(じかん)は、男性(だんせい)(やく)35(ふん)なのに(たい)女性(じょせい)(やく)4時間(じかん)(やく)8(ばい)1現在(げんざい)でも家事(かじ)(おお)くは女性(じょせい)がおこなっていることがわかります。結婚(けっこん)している家庭(かてい)(やく)8(わり)では、「掃除(そうじ)」、「食事(しょくじ)のしたく」、「食後(しょくご)(あと)かたづけ、食器(しょっき)(あら)い」は女性(じょせい)がおこなっていると(こた)えています2
データ〕
  1. 総務省統計局(そうむしょうとうけいきょく)平成(へいせい)13(ねん)社会生活(しゃかいせいかつ)基本調査(きほんちょうさ)
  2. 内閣府(ないかくふ)男女共同参画社会(だんじょきょうどうさんかくしゃかい)(かん)する世論調査(よろんちょうさ)平成(へいせい)14(ねん)7(がつ))」
結婚(けっこん)女性(じょせい)職業(しょくぎょう)()つことに(かん)する意識調査(いしきちょうさ)
 20(さい)以上(いじょう)男女(だんじょ)対象(たいしょう)にした調査(ちょうさ)によると、「結婚(けっこん)はしてもしなくてもどちらでもいいか?」という質問(しつもん)(たい)して、賛成(さんせい)結婚(けっこん)してもしなくてもよい)と(こた)えた(ひと)(やく)7(わり)反対(はんたい)結婚(けっこん)するべきだ)と(こた)えた(ひと)(やく)3(わり)いました。反対(はんたい)という意見(いけん)は60(さい)以上(いじょう)(ひと)(おお)()られました1実際(じっさい)には、成人(せいじん)の7〜8(わり)(ひと)結婚(けっこん)をしています2
 また、女性(じょせい)職業(しょくぎょう)()つことについての調査(ちょうさ)では、「女性(じょせい)職業(しょくぎょう)()たない(かた)がいい((やく)3%)」、「結婚(けっこん)するまで((やく)7%)」、「()どもができるまで((やく)10%)」、「ずっと(つづ)ける((やく)40%)」、「()どもができたら職業(しょくぎょう)をやめ、(おお)きくなったら(ふたた)職業(しょくぎょう)()つ((やく)35%)」という結果(けっか)()ています1
データ〕
  1. 内閣府(ないかくふ)男女共同参画社会(だんじょきょうどうさんかくしゃかい)(かん)する世論調査(よろんちょうさ)平成(へいせい)16(ねん)11(がつ))」
  2. 厚生労働省(こうせいろうどうしょう)人口動態調査(じんこうどうたいちょうさ) 平成(へいせい)14(ねん)
結婚(けっこん)スタイルの変化(へんか)
 時代(じだい)変化(へんか)につれて、結婚(けっこん)(かん)する(かんが)(かた)多様化(たようか)しています。それに(ともな)って、(あたら)しいことばも()まれてきています。(たと)えば、DINKSはDouble Income No kidsの(りゃく)()どもを()たない共働(ともばたら)夫婦(ふうふ)()し、1990(ねん)ごろから(あたら)しいライフスタイルとして都市部(としぶ)中心(ちゅうしん)定着(ていちゃく)しています。また、「非婚家族(ひこんかぞく)」や「週末婚(しゅうまつこん)」などさまざまな結婚(けっこん)のスタイルはテレビドラマのタイトルとしても登場(とうじょう)しています。「週末婚(しゅうまつこん)」は、夫婦(ふうふ)(とも)一緒(いっしょ)()らせる(ちか)場所(ばしょ)()みながら、平日(へいじつ)(おっと)(つま)自分(じぶん)()りているアパートなどで生活(せいかつ)し、週末(しゅうまつ)だけ2人(ふたり)一緒(いっしょ)生活(せいかつ)する結婚(けっこん)スタイルを(えが)いたもので話題(わだい)をよびました
 添付ファイル

72505001.doc
語彙リスト1
(旧日本語能力試験級別)

72505002.doc
語彙リスト2
(50音順・提出順)

05reading.pdf
練習問題
(読解編)

05reading_kana.pdf
練習問題
(読解編:ふりがなつき)


05grammar.pdf
練習問題
(文法編)

05grammar_kana.pdf
練習問題
(文法編:ふりがなつき)
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