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DCH00006
中級読解
ふりがな
日本の女性の結婚観
●トピック:
結婚 家族 労働 女性
●文の長さ:
900
字 ●文の種類:
説明文
●レベル:
★★☆☆
■
大切な語彙
結婚観
(
けっこんかん
)
独身
(
どくしん
)
社会
(
しゃかい
)
進出
(
しんしゅつ
)
家事
(
かじ
)
育児
(
いくじ
)
仕事
(
しごと
)
自由
(
じゆう
)
な
時間
(
じかん
)
両立
(
りょうりつ
)
負担
(
ふたん
)
疑問
(
ぎもん
)
役割
(
やくわり
)
分担
(
ぶんたん
)
■
本文
ふりがなつき
高音質
低音質
日本
(
にほん
)
は
結婚率
(
けっこんりつ
)
が
高
(
たか
)
い
国
(
くに
)
だと
言
(
い
)
われている。
確
(
たし
)
かに、「
結婚
(
けっこん
)
して
半人前
(
はんにんまえ
)
、
子
(
こ
)
どもを
持
(
も
)
って
一人前
(
いちにんまえ
)
」とも
言
(
い
)
われ、
結婚
(
けっこん
)
して
子
(
こ
)
どもを
持
(
も
)
つことは、
人
(
ひと
)
の
一生
(
いっしょう
)
の
中
(
なか
)
でも
大変
(
たいへん
)
重要
(
じゅうよう
)
で、また、
当然
(
とうぜん
)
のことだと
認識
(
にんしき
)
されてきた。さらに、
結婚
(
けっこん
)
することにより、
法的
(
ほうてき
)
にも
経済的
(
けいざいてき
)
にも
有利
(
ゆうり
)
になるという
側面
(
そくめん
)
もある。
ところが、1980
年代
(
ねんだい
)
の
後半
(
こうはん
)
から、マスコミでは、しばしば
男性
(
だんせい
)
の
結婚難
(
けっこんなん
)
に
関
(
かん
)
する
問題
(
もんだい
)
が
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げられるようになった。この
問題
(
もんだい
)
の
一番
(
いちばん
)
の
原因
(
げんいん
)
は、20
代
(
だい
)
から30
代
(
だい
)
半
(
なか
)
ばの
女性
(
じょせい
)
が、
同世代
(
どうせだい
)
の
男性
(
だんせい
)
より
少
(
すく
)
ないことである。しかし、それと
並
(
なら
)
んで
重要
(
じゅうよう
)
だと
思
(
おも
)
われるのは、
若
(
わか
)
い
女性
(
じょせい
)
が
結婚
(
けっこん
)
をしたがらなくなったことである。この
現象
(
げんしょう
)
は「
非婚
(
ひこん
)
」という
流行
(
りゅうこう
)
語
(
ご
)
まで
生
(
う
)
んだ。「
非婚
(
ひこん
)
」とは、
無理
(
むり
)
に
結婚
(
けっこん
)
せずに
独身
(
どくしん
)
を
選
(
えら
)
ぶことを
意味
(
いみ
)
していて、「
未婚
(
みこん
)
」とは
違
(
ちが
)
う。
女性
(
じょせい
)
がこう
考
(
かんが
)
えるようになった
背景
(
はいけい
)
には、
女性
(
じょせい
)
の
社会
(
しゃかい
)
進出
(
しんしゅつ
)
がある。
従来
(
じゅうらい
)
の
日本型
(
にほんがた
)
の
結婚
(
けっこん
)
は、
男性
(
だんせい
)
が「
嫁
(
よめ
)
をもらう」ということであった。そして
女性
(
じょせい
)
は、
嫁
(
とつ
)
ぎ
先
(
さき
)
で
家事
(
かじ
)
や
育児
(
いくじ
)
に
専念
(
せんねん
)
し、
夫
(
おっと
)
に「
養
(
やしな
)
ってもらう」のが
普通
(
ふつう
)
だった。そのため、「
男
(
おとこ
)
は
仕事
(
しごと
)
、
女
(
おんな
)
は
家事
(
かじ
)
」という
考
(
かんが
)
えが
今
(
いま
)
でも
残
(
のこ
)
っており、
女性
(
じょせい
)
はたとえ
外
(
そと
)
で
働
(
はたら
)
いていても、
家事
(
かじ
)
も
全部
(
ぜんぶ
)
やらなければならないと
考
(
かんが
)
える
人
(
ひと
)
が
少
(
すく
)
なくない。
女性
(
じょせい
)
が「
結婚
(
けっこん
)
」と「
仕事
(
しごと
)
」や「
自分
(
じぶん
)
の
自由
(
じゆう
)
にできる
時間
(
じかん
)
」を
両立
(
りょうりつ
)
させようとすると、
大
(
おお
)
きな
負担
(
ふたん
)
を
強
(
し
)
いられることになる。それで、
最近
(
さいきん
)
の
職業
(
しょくぎょう
)
を
持
(
も
)
つ
女性
(
じょせい
)
たちは、このような
結婚
(
けっこん
)
に
疑問
(
ぎもん
)
を
持
(
も
)
つようになった。
自分
(
じぶん
)
が
興味
(
きょうみ
)
を
持
(
も
)
っている
仕事
(
しごと
)
や、せっかく
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れた
経済的
(
けいざいてき
)
にも
時間的
(
じかんてき
)
にも
余裕
(
よゆう
)
のある
自由
(
じゆう
)
な
生活
(
せいかつ
)
を、そのような
負担
(
ふたん
)
のある
結婚生活
(
けっこんせいかつ
)
のために
簡単
(
かんたん
)
にあきらめることはできない、と
考
(
かんが
)
えるようになったのである。
こういう
女性
(
じょせい
)
の
新
(
あたら
)
しい
結婚観
(
けっこんかん
)
は、かなり
定着
(
ていちゃく
)
してきたように
思
(
おも
)
われる。
実際
(
じっさい
)
には、
一生
(
いっしょう
)
結婚
(
けっこん
)
するつもりはないと
言
(
い
)
う
女性
(
じょせい
)
は、まだ
少
(
すく
)
ない。しかし、
自分
(
じぶん
)
が
納得
(
なっとく
)
できる
結婚
(
けっこん
)
生活
(
せいかつ
)
を
送
(
おく
)
れる
相手
(
あいて
)
が
見
(
み
)
つからない
限
(
かぎ
)
り
結婚
(
けっこん
)
しない、と
言
(
い
)
う
女性
(
じょせい
)
が
増
(
ふ
)
えていることは
確
(
たし
)
かである。
今後
(
こんご
)
、
社会
(
しゃかい
)
が
変化
(
へんか
)
するにつれて、
結婚
(
けっこん
)
の
意味
(
いみ
)
や
男女
(
だんじょ
)
の
役割
(
やくわり
)
分担
(
ぶんたん
)
などについて、
女性
(
じょせい
)
だけでなく、
男性
(
だんせい
)
もより
積極的
(
せっきょくてき
)
に
考
(
かんが
)
えていかなければならないことは
言
(
い
)
うまでもない。
■
文法
によって/により/によっては/による
という(内容)
に関して/に関しては/に関する
Vたがります
まで
とは
Vず(に)
V(さ)せます
V(よ)うとします
つもりです
かぎり/かぎりは/かぎりでは/ないかぎり
につれて/につれ
について/につき/については/についての
だけでなく…も
言うまでもない/言うまでもなく
■
参考
【
結婚
(
けっこん
)
相手
(
あいて
)
との
出会
(
であ
)
いと
結婚年齢
(
けっこんねんれい
)
】
1940
年代
(
ねんだい
)
には
結婚
(
けっこん
)
する
人
(
ひと
)
の
約
(
やく
)
7
割
(
わり
)
がお
見合
(
みあ
)
い
結婚
(
けっこん
)
をしていましたが、2003
年
(
ねん
)
ではお
見合
(
みあ
)
いで
結婚
(
けっこん
)
する
人
(
ひと
)
は7%にまで
減少
(
げんしょう
)
しました。
夫婦
(
ふうふ
)
が
知
(
し
)
り
合
(
あ
)
ったきっかけでいちばん
多
(
おお
)
いのは「
職場
(
しょくば
)
や
仕事
(
しごと
)
の
関係
(
かんけい
)
」で
全体
(
ぜんたい
)
の3
分
(
ぶん
)
の1を
占
(
し
)
めています。
次
(
つ
)
いで「
友人
(
ゆうじん
)
や
兄弟姉妹
(
きょうだいしまい
)
を
通
(
つう
)
じて」(
約
(
やく
)
3
割
(
わり
)
)、「
学校
(
がっこう
)
で」(
約
(
やく
)
1
割
(
わり
)
)と
日常的
(
にちじょうてき
)
な
場
(
ば
)
での
出会
(
であ
)
いが
多
(
おお
)
くなってきています
1
。また、1950
年
(
ねん
)
には
結婚
(
けっこん
)
の
平均年齢
(
へいきんねんれい
)
は
男性
(
だんせい
)
25.9
歳
(
さい
)
、
女性
(
じょせい
)
23
歳
(
さい
)
であったのに
対
(
たい
)
し、2002
年
(
ねん
)
の
調査
(
ちょうさ
)
では
男性
(
だんせい
)
29.1
歳
(
さい
)
、
女性
(
じょせい
)
27.4
歳
(
さい
)
と
晩婚化
(
ばんこんか
)
(
結婚年齢
(
けっこんねんれい
)
が
遅
(
おそ
)
くなること)が
進
(
すす
)
んできています
2
。
〔
データ〕
国立社会保障
(
こくりつしゃかいほしょう
)
・
人口問題研究所
(
じんこうもんだいけんきゅうしょ
)
「
第
(
だい
)
12
回
(
かい
)
出生
(
しゅっしょう
)
動向
(
どうこう
)
基本調査
(
きほんちょうさ
)
結婚
(
けっこん
)
と
出産
(
しゅっさん
)
に
関
(
かん
)
する
全国調査
(
ぜんこくちょうさ
)
夫婦調査
(
ふうふちょうさ
)
の
結果概要
(
けっかがいよう
)
」
厚生労働省
(
こうせいろうどうしょう
)
「
人口動態調査
(
じんこうどうたいちょうさ
)
平成
(
へいせい
)
14
年
(
ねん
)
」
【 結婚年齢の変化 】
年次
男性(歳)
女性(歳)
1950年
25.9
23.0
1960年
27.2
24.4
1970年
26.9
24.2
1980年
27.8
25.2
1990年
28.4
25.9
1995年
28.5
26.3
2002年
29.1
27.4
厚生労働省「人口動態調査 平成14年」上巻 婚姻 第9.11表より
【
家事
(
かじ
)
の
分担
(
ぶんたん
)
】
日本
(
にほん
)
では「
男性
(
だんせい
)
は
外
(
そと
)
で
働
(
はたら
)
き
家族
(
かぞく
)
を
養
(
やしな
)
う。
女性
(
じょせい
)
は
家庭
(
かてい
)
で
家
(
いえ
)
を
守
(
まも
)
る」と
言
(
い
)
われてほとんどの
家事
(
かじ
)
を
女性
(
じょせい
)
が
担
(
にな
)
ってきました。しかし、1970
年
(
ねん
)
ごろから
仕事
(
しごと
)
を
持
(
も
)
つ
女性
(
じょせい
)
も
増
(
ふ
)
え、
以前
(
いぜん
)
に
比
(
くら
)
べると
男性
(
だんせい
)
の
家事
(
かじ
)
時間
(
じかん
)
が
増
(
ふ
)
えてきています。とは
言
(
い
)
っても、2001
年度
(
ねんど
)
の
調査
(
ちょうさ
)
によると20
歳
(
さい
)
以上
(
いじょう
)
の
人
(
ひと
)
が1
日
(
にち
)
のうちに
家事
(
かじ
)
をおこなう
時間
(
じかん
)
は、
男性
(
だんせい
)
が
約
(
やく
)
35
分
(
ふん
)
なのに
対
(
たい
)
し
女性
(
じょせい
)
は
約
(
やく
)
4
時間
(
じかん
)
と
約
(
やく
)
8
倍
(
ばい
)
で
1
、
現在
(
げんざい
)
でも
家事
(
かじ
)
の
多
(
おお
)
くは
女性
(
じょせい
)
がおこなっていることがわかります。
結婚
(
けっこん
)
している
家庭
(
かてい
)
の
約
(
やく
)
8
割
(
わり
)
では、「
掃除
(
そうじ
)
」、「
食事
(
しょくじ
)
のしたく」、「
食後
(
しょくご
)
の
後
(
あと
)
かたづけ、
食器
(
しょっき
)
洗
(
あら
)
い」は
女性
(
じょせい
)
がおこなっていると
答
(
こた
)
えています
2
。
〔
データ〕
総務省統計局
(
そうむしょうとうけいきょく
)
「
平成
(
へいせい
)
13
年
(
ねん
)
社会生活
(
しゃかいせいかつ
)
基本調査
(
きほんちょうさ
)
」
内閣府
(
ないかくふ
)
「
男女共同参画社会
(
だんじょきょうどうさんかくしゃかい
)
に
関
(
かん
)
する
世論調査
(
よろんちょうさ
)
(
平成
(
へいせい
)
14
年
(
ねん
)
7
月
(
がつ
)
)」
【
結婚
(
けっこん
)
と
女性
(
じょせい
)
が
職業
(
しょくぎょう
)
を
持
(
も
)
つことに
関
(
かん
)
する
意識調査
(
いしきちょうさ
)
】
20
歳
(
さい
)
以上
(
いじょう
)
の
男女
(
だんじょ
)
を
対象
(
たいしょう
)
にした
調査
(
ちょうさ
)
によると、「
結婚
(
けっこん
)
はしてもしなくてもどちらでもいいか?」という
質問
(
しつもん
)
に
対
(
たい
)
して、
賛成
(
さんせい
)
(
結婚
(
けっこん
)
してもしなくてもよい)と
答
(
こた
)
えた
人
(
ひと
)
は
約
(
やく
)
7
割
(
わり
)
、
反対
(
はんたい
)
(
結婚
(
けっこん
)
するべきだ)と
答
(
こた
)
えた
人
(
ひと
)
は
約
(
やく
)
3
割
(
わり
)
いました。
反対
(
はんたい
)
という
意見
(
いけん
)
は60
歳
(
さい
)
以上
(
いじょう
)
の
人
(
ひと
)
に
多
(
おお
)
く
見
(
み
)
られました
1
。
実際
(
じっさい
)
には、
成人
(
せいじん
)
の7〜8
割
(
わり
)
の
人
(
ひと
)
が
結婚
(
けっこん
)
をしています
2
。
また、
女性
(
じょせい
)
が
職業
(
しょくぎょう
)
を
持
(
も
)
つことについての
調査
(
ちょうさ
)
では、「
女性
(
じょせい
)
は
職業
(
しょくぎょう
)
を
持
(
も
)
たない
方
(
かた
)
がいい(
約
(
やく
)
3%)」、「
結婚
(
けっこん
)
するまで(
約
(
やく
)
7%)」、「
子
(
こ
)
どもができるまで(
約
(
やく
)
10%)」、「ずっと
続
(
つづ
)
ける(
約
(
やく
)
40%)」、「
子
(
こ
)
どもができたら
職業
(
しょくぎょう
)
をやめ、
大
(
おお
)
きくなったら
再
(
ふたた
)
び
職業
(
しょくぎょう
)
を
持
(
も
)
つ(
約
(
やく
)
35%)」という
結果
(
けっか
)
が
出
(
で
)
ています
1
。
〔
データ〕
内閣府
(
ないかくふ
)
「
男女共同参画社会
(
だんじょきょうどうさんかくしゃかい
)
に
関
(
かん
)
する
世論調査
(
よろんちょうさ
)
(
平成
(
へいせい
)
16
年
(
ねん
)
11
月
(
がつ
)
)」
厚生労働省
(
こうせいろうどうしょう
)
「
人口動態調査
(
じんこうどうたいちょうさ
)
平成
(
へいせい
)
14
年
(
ねん
)
」
【
結婚
(
けっこん
)
スタイルの
変化
(
へんか
)
】
時代
(
じだい
)
の
変化
(
へんか
)
につれて、
結婚
(
けっこん
)
に
関
(
かん
)
する
考
(
かんが
)
え
方
(
かた
)
は
多様化
(
たようか
)
しています。それに
伴
(
ともな
)
って、
新
(
あたら
)
しいことばも
生
(
う
)
まれてきています。
例
(
たと
)
えば、DINKSはDouble Income No kidsの
略
(
りゃく
)
で
子
(
こ
)
どもを
持
(
も
)
たない
共働
(
ともばたら
)
き
夫婦
(
ふうふ
)
を
指
(
さ
)
し、1990
年
(
ねん
)
ごろから
新
(
あたら
)
しいライフスタイルとして
都市部
(
としぶ
)
を
中心
(
ちゅうしん
)
に
定着
(
ていちゃく
)
しています。また、「
非婚家族
(
ひこんかぞく
)
」や「
週末婚
(
しゅうまつこん
)
」などさまざまな
結婚
(
けっこん
)
のスタイルはテレビドラマのタイトルとしても
登場
(
とうじょう
)
しています。「
週末婚
(
しゅうまつこん
)
」は、
夫婦
(
ふうふ
)
が
共
(
とも
)
に
一緒
(
いっしょ
)
に
暮
(
く
)
らせる
近
(
ちか
)
い
場所
(
ばしょ
)
に
住
(
す
)
みながら、
平日
(
へいじつ
)
は
夫
(
おっと
)
も
妻
(
つま
)
も
自分
(
じぶん
)
が
借
(
か
)
りているアパートなどで
生活
(
せいかつ
)
し、
週末
(
しゅうまつ
)
だけ
2人
(
ふたり
)
で
一緒
(
いっしょ
)
に
生活
(
せいかつ
)
する
結婚
(
けっこん
)
スタイルを
描
(
えが
)
いたもので
話題
(
わだい
)
をよびました
。
■
添付ファイル
72505001.doc
語彙リスト1
(旧日本語能力試験級別)
72505002.doc
語彙リスト2
(50音順・提出順)
05reading.pdf
練習問題
(読解編)
05reading_kana.pdf
練習問題
(読解編:ふりがなつき)
05grammar.pdf
練習問題
(文法編)
05grammar_kana.pdf
練習問題
(文法編:ふりがなつき)
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