JF 日本語教育スタンダードとは?

外国語(がいこくご)の学習(がくしゅう)には、いろいろな方法(ほうほう)がありますが、JF日本語(にほんご)教育(きょういく)スタンダード(以下(いか)、JFスタンダード)では、聞(き)く、話(はな)す、読(よ)む、書(か)くなどの実際(じっさい)のコミュニケーションに重点(じゅうてん)を置(お)いた日本語(にほんご)の学(まな)び方(かた)を提案(ていあん)しています。「語彙(ごい)や文法(ぶんぽう)などの知識(ちしき)をどのぐらい知(し)っているか」ではなく、「現実(げんじつ)の社会(しゃかい)の中(なか)で、日本語(にほんご)を使(つか)って実際(じっさい)に何(なに)ができるか」(課題(かだい)遂行(すいこう)能力(のうりょく))が大切(たいせつ)だと考(かんが)え、Can-do(「~ができる」という文(ぶん))で学習(がくしゅう)目標(もくひょう)を立(た)てます。

大切(たいせつ)なのは、食(た)べ物(もの)の名前(なまえ)や「~をください」という言(い)い方(かた)を知(し)っていることではなく、実際(じっさい)に「レストランで注文(ちゅうもん)ができる」ということなんですね!

それを「課題(かだい)遂行(すいこう)能力(のうりょく)」と呼(よ)んでいます。人(ひと)と理解(りかい)しあうためには、ことばも文化(ぶんか)も両方(りょうほう)大切(たいせつ)なんですね。

また、JFスタンダードでは、お互(たが)いの文化(ぶんか)を理解(りかい)し尊重(そんちょう)する能力(のうりょく)(異文化(いぶんか)理解(りかい)能力(のうりょく))を育(そだ)てることを大切(たいせつ)に考(かんが)えています。 JFスタンダードは、この「課題(かだい)遂行(すいこう)能力(のうりょく)」と「異文化(いぶんか)理解(りかい)能力(のうりょく)」の育成(いくせい)を目指(めざ)し、世界中(せかいじゅう)の日本語(にほんご)教育(きょういく)の現場(げんば)で役立(やくだ)つように開発(かいはつ)されたました。「相互(そうご)理解(りかい)のための日本語(にほんご)」を理念(りねん)としています。


JF日本語(にほんご)教育(きょういく)スタンダードのくわしい内容(ないよう)はこちら

JF スタンダードの木を使って、学習目標を考えよう

JFスタンダードは、言語(げんご)によるコミュニケーションの力(ちから)を一本(いっぽん)の木(き)で表(あらわ)しています。枝(えだ)を広(ひろ)げ、花(はな)を咲(さ)かせている部分(ぶぶん)は、具体的(ぐたいてき)なコミュニケーション言語(げんご)活動(かつどう)を表(あらわ)し、受容(じゅよう)、産出(さんしゅつ)、やりとりの3つに分(わ)けられます。このコミュニケーション言語(げんご)活動(かつどう)を例示(れいじ)したものが、Can-do(花(はな)の部分(ぶぶん))です。根(ね)の部分(ぶぶん)は、文字(もじ)、語彙(ごい)、文法(ぶんぽう)など日本語(にほんご)に関(かん)する知識(ちしき)にあたるコミュニケーション言語(げんご)能力(のうりょく)であり、コミュニケーション言語(げんご)活動(かつどう)を支(ささ)えています。JFスタンダードの木(き)を見(み)れば、学習(がくしゅう)目標(もくひょう)とするコミュニケーション言語(げんご)活動(かつどう)は何(なに)か、それを支(ささ)えるコミュニケーション言語(げんご)能力(のうりょく)は何(なに)かを明確(めいかく)にすることができます。

僕(ぼく)の学習者(がくしゅうしゃ)は、レストランで注文(ちゅうもん)ができるようになりたい、って言(い)ってるんです。

じゃあ、このやりとりのCan-doを目標(もくひょう)にしてみたら?そのために、どんな知識(ちしき)や能力(のうりょく)が必要(ひつよう)か、根(ね)の部分(ぶぶん)を見(み)て考(かんが)えるといいよ。

6つのレベルとCan-doを理解しよう

JFスタンダードでは、語彙(ごい)や文法(ぶんぽう)をどれだけ知(し)っているかという「知識(ちしき)」ではなく、何(なに)がどれぐらいできるかというCan-doでレベルを示(しめ)します。JFスタンダードのレベルは、A1からC2までの6つに分(わ)かれています。この6つのレベルは欧州(おうしゅう)評議会(ひょうぎかい)による※CEFRと共通(きょうつう)なので、他(ほか)の外国語(がいこくご)と同(おな)じ基準(きじゅん)でレベルを考(かんが)えることができます。

※ヨーロッパ言語(げんご)共通(きょうつう)参照(さんしょう)枠(わく)(Common European Framework of Reference for Languages)の略(りゃく)。ヨーロッパをはじめ、世界(せかい)各地(かくち)の言語(げんご)教育(きょういく)・学習(がくしゅう)の場(ば)で共有(きょうゆう)される枠組(わくぐ)み。

「CEFR」の説明(せつめい)はこちら

6つのレベルとCan-doの例

Can-doの例(れい)を見(み)てみましょう。Can-doには3つの種別(しゅべつ)があります。抽象的(ちゅうしょうてき)であらゆる言語(げんご)に利用(りよう)することができるCEFR Can-doと、日本語(にほんご)での具体的(ぐたいてき)なコミュニケーション言語(げんご)活動(かつどう)を例示(れいじ)したJF Can-do、そして自分(じぶん)で作成(さくせい)するMY Can-doです。
下(した)の図(ず)は「講演(こうえん)やプレゼンテーションをする」という言語(げんご)活動(かつどう)の各(かく)レベルのCEFR Can-doです。

同(おな)じような活動(かつどう)でも、レベルによってできることが違(ちが)うんだなあ。

「JF日本語(にほんご)教育(きょういく)スタンダード」のくわしい説明(せつめい)はこちら

Can-doで目標設定されている教材(「Can-doあり」教材)について

みんなの教材(きょうざい)サイトの以下(いか)の教材(きょうざい)では、活動(かつどう)の目標(もくひょう)をCan-do(目標(もくひょう)Can-do)で示(しめ)しています。

  • ・JFSB2教材(きょうざい)
  • ・JFS読解(どっかい)活動(かつどう)集(しゅう)
  • ・JFS授業(じゅぎょう)案(あん)
  • ・「教科書(きょうかしょ)を作(つく)ろう」教室(きょうしつ)活動(かつどう)(一部(いちぶ)のみ)

目標(もくひょう)Can-doがあると、「実際(じっさい)に、これができるようになるんだ!」という、明確(めいかく)な授業(じゅぎょう)の目標(もくひょう)を、教師(きょうし)と学習者(がくしゅうしゃ)が共有(きょうゆう)しながら授業(じゅぎょう)を進(すす)めることができます。

目標(もくひょう)Can-doの活用(かつよう)方法(ほうほう)

・Can-doは文型(ぶんけい)や語彙(ごい)などの知識(ちしき)の学習(がくしゅう)ではなく、「現実(げんじつ)の場面(ばめん)で実際(じっさい)に日本語(にほんご)を使(つか)って何(なに)ができるか」ということを記述(きじゅつ)しています。活動(かつどう)の前(まえ)に、学習者(がくしゅうしゃ)といっしょに目標(もくひょう)Can-doを確認(かくにん)することで、目標(もくひょう)を教師(きょうし)と学習者(がくしゅうしゃ)が意識(いしき)し共有(きょうゆう)しながら活動(かつどう)を進(すす)めることができます。Can-doは学習者(がくしゅうしゃ)の母語(ぼご)や媒介(ばいかい)語(ご)に訳(やく)して使(つか)って構(かま)いません。活動(かつどう)が終(お)わった後(あと)で評価(ひょうか)(自己(じこ)評価(ひょうか)、教師(きょうし)による評価(ひょうか)、学習者(がくしゅうしゃ)同士(どうし)による評価(ひょうか))をする場合(ばあい)は、文型(ぶんけい)や語彙(ごい)などの知識(ちしき)ではなく、目標(もくひょう)Can-doを達成(たっせい)できるようになったかどうかを評価(ひょうか)のポイントにしましょう。Can-doを目標(もくひょう)にした授業(じゅぎょう)の流(なが)れや評価表(ひょうかひょう)のサンプルは「JFS 授業案」にあります。

「関連(かんれん)Can-do」と「同(おな)じカテゴリーのCan-do」

Can-doの内容(ないよう)やレベルを理解(りかい)したり、Can-doを達成(たっせい)するために必要(ひつよう)な学習(がくしゅう)内容(ないよう)や、評価(ひょうか)について考(かんが)えるときは、「関連(かんれん)Can-do」や「同(おな)じカテゴリーのCan-do」が参考(さんこう)になります。目標(もくひょう)Can-doをクリックすると、みんなのCan-doサイトに移動(いどう)し、そのCan-doの「関連(かんれん)Can-do」と「同(おな)じカテゴリーのCan-do」を見(み)ることができます。

<関連(かんれん)Can-do>

「関連(かんれん)Can-do」には、目標(もくひょう)Can-doを達成(たっせい)するために必要(ひつよう)となる力(ちから)を示(しめ)したCan-doが表示(ひょうじ)されます。目標(もくひょう)Can-doを達成(たっせい)するために、どんな学習(がくしゅう)が必要(ひつよう)か考(かんが)えたり、評価(ひょうか)の観点(かんてん)や基準(きじゅん)を決(き)めたりするのに役立(やくだ)ちます。たとえば、「お世話(せわ)になった人(ひと)に、短(みじか)い簡単(かんたん)な文(ぶん)でお礼(れい)の手紙(てがみ)やメールなどを書(か)くことができる」(A2)という目標(もくひょう)Can-doについて見(み)てみましょう。「関連(かんれん)Can-do」には、以下(いか)のようなものがあります。

  • ・基本的(きほんてき)なコミュニケーションの要求(ようきゅう)を満(み)たすことができるだけの語彙(ごい)を持(も)っている。(能力(のうりょく)Can-do)
  • ・自分(じぶん)のレパートリーの中(なか)から適切(てきせつ)な表現(ひょうげん)形(けい)を思(おも)い出(だ)して、使(つか)ってみることができる。(方略(ほうりゃく)Can-do)
  • ・ポイントを簡単(かんたん)に並(なら)べ上(あ)げる形(かたち)で、物事(ものごと)を語(かた)ったり事物(じぶつ)を記述(きじゅつ)できる。(能力(のうりょく)Can-do)

なるほど。短(みじか)い簡単(かんたん)な文(ぶん)でお礼(れい)のメールを書(か)くときは、こんな力(ちから)が必要(ひつよう)になるんだなあ。学習(がくしゅう)項目(こうもく)や評価(ひょうか)の観点(かんてん)・基準(きじゅん)を考(かんが)えるときに役立(やくだ)ちそうだ。
<同(おな)じカテゴリーのCan-do>

Can-doは、たとえば「講演(こうえん)やプレゼンテーションをする」「テレビや映画(えいが)を見(み)る」「店(みせ)や公共(こうきょう)機関(きかん)でやりとりをする」などさまざまなカテゴリーに分(わ)かれています。「同(おな)じカテゴリーのCan-do」では、同(おな)じカテゴリーのCan-doをレベル別(べつ)に見(み)ることができます。上下(じょうげ)のレベルを見比(みくら)べると、そのCan-doの内容(ないよう)やレベルを具体的(ぐたいてき)に理解(りかい)することができます。
たとえば、「お世話(せわ)になった人(ひと)に、短(みじか)い簡単(かんたん)な文(ぶん)でお礼(れい)の手紙(てがみ)やメールなどを書(か)くことができる」(A2)という目標(もくひょう)Can-doについて見(み)てみましょう。
このCan-doのカテゴリーは「手紙(てがみ)やメールのやりとりをする」です。「同(おな)じカテゴリーのCan-do」には、以下(いか)のようなものがあります。

なるほど。こうやって、上下(じょうげ)のレベルのCan-doを見比(みくら)べると、同(おな)じように「メールを書(か)く」と言(い)っても、A2レベルではどのようなことが目標(もくひょう)となるのか、具体的(ぐたいてき)にわかるんだ。

みんなのCan-doサイト

みんなのCan-doサイトでは、Can-doを検索(けんさく)、保存(ほぞん)、共有(きょうゆう)することができます。各現場(かくげんば)に合(あ)わせてオリジナルのCan-do(MY Can-do)を編集(へんしゅう)、作成(さくせい)することもできます。

みんなのCan-doサイトはこちら