「JFS 読解活動集」、「KCよむよむ」、「日本語教育通信エッセイ」、「初級読解」、「中級読解」、「日本では今」の6種類があります。語彙リスト、文法リスト、練習問題、音声、イラストがついている素材もあります。
JFS 読解活動集
「JF日本語教育スタンダード」にもとづく、A1・A2レベル(初級)、B1レベル(中級)の読解活動シリーズです。A1レベルを14、A2レベルを12、B1レベルを12、公開しています。授業で、学習者同士でやりとりをしながら読むことを想定しています。
この活動集は、日常生活の実際の場面で行われる言語活動から作られています。活動の目的は、文型や語彙などの知識を学習することではなく、現実の社会の中で実際に日本語を使って課題を達成することです。それぞれの活動には目標Can-do(日本語でなにができるか)がついています。学習者用に易しくアレンジされた素材ではなく、生素材(母語話者が実際に読む素材あるいはそれに近い素材)を使っているため、最初は難しく感じるかもしれませんが、理解できないことがあっても気にせず、推測力をうまく使って、目標Can-doを達成できるようになることが大切です。
A1レベルでは、店やレストランの看板から営業時間や定休日などのごく基本的な情報を探し出したり、ファストフード店のメニューを見て食べ物の名前、値段などを理解したり、家族や友人からの短い簡単な文で書かれたメールなどを読んで、どこへ行ったか、何をしたかを理解したりすることが目標です。
A2レベルは、旅行のパンフレットや店のクーポン券、求人広告などの短い簡単なテクストから必要な情報を探し出したり、和食の店のメニューや地域のイベントに関する短い簡単なニューズレターを読んでいくつかの情報を理解したり、旅行中の出来事について書かれた家族や友人からの短い簡単なメールなどを読んで、内容をおおまかに理解したりします。
B1レベルでは、家族や日常生活など身近な話題に関する、新聞や雑誌、WEB上の記事やメールなどを読んで、要点を理解したり、必要な情報を探し出したりします。
タスクの指示やCan-doはできれば学習者の母語などに訳して使うことをおすすめします。添付のワードファイルは自由に編集して使ってください。
編集 |
横山 紀子、夷石 寿賀子、上原 由美子、長坂 水晶、伊藤 由希子、羽吹 幸 |
執筆 A1シリーズ |
磯村 一弘、佐藤 智照、横山 紀子、尾関 史、上原 由美子、藤長 かおる、山本 実佳、二瓶 知子、高 偉建 |
A2シリーズ |
中尾 有岐、山本 実佳、篠崎 摂子、大舩 ちさと、濱田 典子、上原 由美子、伊藤 由希子、二瓶 知子 |
B1シリーズ |
羽吹 幸、有馬 淳一、上原 由美子、山下 悠貴乃、来嶋 洋美、木村 亮子、柴原 智代、石山 友之、 山本 実佳、木谷 直之、押尾 和美 |
<参考資料>
上原 由美子(2017)「JF日本語教育スタンダードに準拠した読解教材「A1活動集(読解)」と「A2活動集(読解)」」『日本語教育通信 日本語教育ニュース』
羽吹 幸・上原 由美子・長坂 水晶(2021)「課題遂行型教材「JFS 読解活動集」の開発と評価」『国際交流基金日本語教育紀要』17、32-47
日本語教育通信エッセイ
「日本語教育通信エッセイ」は、国際交流基金が発行してきた『日本語教育通信』の表紙エッセイから、著者の許可の得られた16の文章を提供しています。日本語や日本の社会・文化、外国語学習や異文化などをテーマにした比較的短いエッセイで、各分野を代表する方々の個性あふれる文章が楽しめます。多くは、中級以上のレベル向けです。
『日本語教育通信表紙エッセイ』について
『日本語教育通信』は、国際交流基金が主に海外の日本語教育関係者を対象に、日本語教育に関するさまざまな情報(教授法、教材、日本事情)を提供することを目的として、1990年1月より発行してきたニューズレターです。印刷物としての発行は2009年1月発行の第63号で休止となりましたが、その後はホームページ上で提供しています。「表紙エッセイ」は、1993年1月発行の第13号から2006年1月発行の第54号まで42回にわたり表紙を飾ってきました。各号、日本のさまざまな分野で活躍されている方々に、1,000字以内を目安に言葉にまつわる思い出や現代の日本社会・日本文化に関する体験などいろいろテーマで執筆していただきました。現在バックナンバーとして第28号から第54号まではPDFファイルで読むことができます。
執筆 |
阿刀田 高、高畑 勳、周防 正行、土屋 賢二、加藤 秀俊、野田 秀樹、林 真理子、呉 善花、中西 進、福原 義春、角野 栄子、川淵 三郎、鴻上 尚史、大岡 信、沢 知恵、なだいなだ |
初級読解
日本の昔話を題材にした、初級学習者用の読解教材です。全部で4話あります。この教材には、読み物と読解問題(ルビ付きとルビなし)とイラストがついています。読み物と読解問題はワードファイルなので編集もできます。学習者が読む前に、関連する日本の文化や習慣なども紹介するとより楽しく読むことができるでしょう。
中級読解
初級後半の文型のうち、特に読解の学習に必要だと思われるものを復習しながら学べる10の読解用教材です。本文には音声がついています。
● 読解素材の構成
大切な語彙 |
本文の大意をつかむために必要なことばを10語程度あげました。 |
本文 |
さまざまなテーマ、長さの読解用の素材です。 |
文法 |
本文中に出てくる文法、表現のリストです。 |
参考 |
本文をより深く理解するための解説や、関連する話題などの紹介です。 |
語彙リスト |
本文中に出てくる語彙のリストです。語彙リストの中の品詞の項目は、それぞれ、「固」は固有名詞、「副」は副詞、「接」は接続詞、「慣」は慣用的表現、「擬」は擬音語・擬声語を表します。 |
練習問題 |
本文に合わせて作られた練習問題です。読解に必要な技能の習得を図る「読解編」と、本文に出てくる文型を整理し使い分けや用法の違いを学ぶ「文法編」の2種類があります。 |
『中級読解-日本理解へのステップ-』について
「中級読解」は、国際交流基金日本語国際センターが海外司書日本語研修用に制作した『中級読解-日本理解へのステップ-』から提供しています。この教材は、1990年から1996年まで、海外の高等教育機関、学術研究機関、文化交流機関、公立図書館などの司書を対象に実施された「海外司書日本語研修」のために、国際交流基金日本語国際センターで開発した読解用教材で、初級から中級への橋渡しとなるレベルを対象としています。
各課は、「読む前に・ことば・本文・内容理解・練習・要約・発展」から構成され、1課につき6~9時間の授業時間が想定されています。著者によって書き下ろされた本文は簡単なものから難しいものへ進んでおり、字数も800字から1600字まで、徐々に増えています。文型については、事前に14種の中・上級読解教科書および新聞・雑誌記事を調査し、より使用頻度の高い初級文型と中級文型を本文に組みこんでいます。また、練習・要約の部分では、文脈や筋道、大意を把握する練習にも重点をおいています。
本文のテーマは、日本文化や日本社会、特に海外では情報が得にくい日本の現代事情を扱っています。単なる事象を超えた、その背景となっている日本人の考え方なども正しく伝えられるような話題・論述を提供できるよう配慮されています。
発行:1997年国際交流基金日本語国際センター
執筆 |
簗島 史恵、来嶋 洋美(いずれも国際交流基金日本語国際センター専任講師) 荘 由木子、綛田 はるみ(いずれも国際交流基金日本語国際センター客員講師) |
執筆協力 |
福谷 正子、山崎 深雪(いずれも国際交流基金日本語国際センター客員講師) |
「みんなの教材サイト」にのせるにあたっての、本文の改訂およびその他の素材の作成・執筆
中村 雅子、三原 龍志(いずれも国際交流基金日本語国際センター専任講師) 稲葉 和栄、谷田部 由木子(いずれも国際交流基金日本語国際センター客員講師) 津花 知子、赤澤 幸、高野 千恵子(いずれも国際交流基金日本語国際センター事業化開発チーム)
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(肩書きは当時)
日本では今
主に日本国外で学んでいる学習者のために「日本で今、話題になっていること」、「日本で今、流行っていること」について、読解教材を活動案とともに紹介している3つの教材です。
このシリーズは、2005年6月から2015年7月にかけて「みんなの広場」の中に「さくら&むさし」の投稿として連載されました。時間がたって「今」の話題でなくなったものは、「アーカイブ」としました。「アーカイブ」は、投稿時と同じ画面になっています。